糖尿病の慢性合併症 – 「えのき」と「しめじ」怖いのはどっち?


1.糖尿病の慢性合併症とは

私達が、普通に糖尿病の合併症と呼んでいるのは、慢性合併症のことです。

血糖値の高いドロドロの血液が、長期間にわたり血管を流れていると、

血管が損傷したり、詰まったりして、血管はもちろん、それにつながる

臓器にも影響がでてきます。

非常に長い時間をかけて徐々に障害を起こしてくるため、自覚症状もなく

どこかに異常を感じたときには、すでにかなり病状が進行していることが

多いのが糖尿病の特徴です。

    

言うなれば、糖尿病の合併症(慢性合併症)とは、ドロドロの血液が原因の

血管の病気ということになります。

2.「細小血管症」と「大血管症」

同じメカニズムで発症するにしても、太いものから細いものまで、さまざまな

血管が私達の体には張りめぐらされています。

なので、比較的早い時期に障害が出てくるのが、細い血管ということになります。

つまり、細い血管が作用している場所が傷ついて起こる障害を「細小血管症」と

言います。

そして、徐々に太い血管にも影響が出始め、それにつながる臓器にも障害が出て

くることを「大血管症」と言っています。

3.「しめじ」と「えのき」

合併症の中でも、比較的早い段階で、障害が出てくるのが、細小血管の働きです。

つまり、神経障害が出て、手足にしびれや痛みを感じるようになります。

そして、目の網膜の血管がつまると視力低下、悪化すれば失明の危険もあります。

更に、腎臓の機能が低下し、血液をろ過できない状態になり人工透析治療を受ける

ことになります。

これら、糖尿病に特有の3大合併症状のんけい・んぞうの頭文字をとって、

しめじ」と呼んでいるのです。

       

また、それより深刻な合併症として、やや太い血管にも障害が出てくると、

水虫や小傷が原因で血行不良の足などが腐敗して切断しなければならなくなる

壊疽(えそ)、脳の血管が詰まると脳梗塞、心筋梗塞などの虚血性疾患といった

直接命にかかわるような重篤な病気のリスクも出てくるのです。

これら、そ、う、ょけつの頭文字をとって、「えのき」といい

更にリスクの高い合併症のことを意味しています。

4.それ以外のリスク

血管と血液が原因で発症する病気なので、とうぜんのことながら、

他にも影響を受けることが十分考えられます。

糖尿病を発症すると、かかりやすくなる病気には、ガン、睡眠障害、

うつ病、認知症、歯周病、ED、等、一見あまり関係なさそうな病気でも、

血液、血管が絡んでいる限り、避けては通れないリスクになります。

     

また、白血球の機能の低下により、肺炎や膀胱炎といった感染症にも

かかりやすくなるので注意が必要になります。

5.糖尿病の急性合併症

2型糖尿病で投薬治療中や1型糖尿病以外の人では、あまり多くありませんが、

ときどき、他の病気や脱水症状、糖質の過剰摂取等で、急激に血糖値が上昇して、

意識不明や昏睡状態に陥ることがあります。

周辺でこのような人を見かけたら、迅速な対応を求められますが、何よりも、

本人が自覚して、現在、受けている治療法を勝手な判断で変更しないことが、

急性合併症を未然に防ぐことになります。

doctor-k

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